2023年のインテリアコーディネーター試験より、一次試験の実施方法が大きく変更されます。
今年こそ合格したい!と思っている方には、受験がしやすくなるいっぽうで、この変更点を理解した上で対策をしないと、思わぬ失敗につながることもあり得ます。
この記事ではその一次試験の変更点と、試験内容や攻略ポイントを簡単に解説し、二次試験の概要についても説明していきます。
2023年インテリアコーディネーター資格試験 変更点
インテリアコーディネーター資格認定試験は1983年に開始されましたが、この変更はその歴史の中でも大きな変更といえます。
まず、この変更の経緯としては、昨今の新型コロナウイルス感染症や自然災害への対応があります。
今までの一次試験は、全国9地域の受験会場で同じ日に実施されていましたが、その方法では感染症の対策や自然災害で受験が困難になった方への対応が十分だとはいえない状況もありました。
そこで今回の変更となったわけであり、変更点は大きく3つあります。
- 受験方式の変更
- 受験期間の変更
- 受験会場の変更
以下でそれぞれについて詳しく解説していきます(二次試験については、従来通りの方法で実施されます)。
受験方式の変更
この変更が最も大きな変更であり、一次試験が今までのマークシート方式から「CBT(Computer Based Testing)方式」に変更され、それに伴い、試験時間が従来の160分から120分に短縮され、時間短縮に合わせて出題数が従来の50問から36問に削減されます。
このCBT方式は、試験会場での全国一斉実施ではなく、受験期間中に全国各地に設置されたテストセンターにあるパソコンで【一次試験】を受験するもので、問題用紙やマークシートを使用せず、パソコンの画面に表示される問題を見てマウス等を用いて解答する試験となります。
ただし、出題範囲と審査基準に変更はないため、受験対策については今までと同じテキストが使用できるとされていますが、CBT方式の試験に慣れる必要があるでしょう。
また、試験問題は、試験日・試験時間・試験会場により異なり、難易度には当然ばらつきがないようコンピューターから平準化された問題が出題されます。
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受験期間の変更
受験期間としては、今まで年1回10月の第2日曜日に実施されていたものが、9月中旬から10月中旬の約1か月間、設定される予定で、その期間中に1回、受験することが可能となります(二次試験は従来どおり実施)。
受験会場の変更
全国9地域に設置した会場で一斉に実施されていたものが、全国各地に設置されたテストセンターでの受験に変更となり、会場数が大幅に増加します(二次試験は従来どおり実施)。
主な変更点の比較表
2023年(第41回)以降 | 2022年(第40回)まで | |
受験方式 | CBT方式 (テストセンターのパソコン画面に表示される問題を選択解答) | マークシート方式 (筆記式) |
試 験 日 | 9月中旬~10月中旬(予定)の間で受験者が希望し、申込した日時 (複数回受験は不可) | 10月第2日曜 |
試験時間・問題数 | 120分36問 | 160分50問 |
試験会場 | 全国のテストセンター | 全国9地域に設置した会場 |
インテリアコーディネーター資格試験 一次試験の範囲と攻略ポイント

インテリアコーディネーターの一次試験は、試験範囲が広くて勉強するのが大変…
1回で合格するのは難しいのでは?独学で勉強できるの?
などの疑問を持っている人も多いはずです。
ここからは、その一次試験をどのように勉強していくといいのか、ポイントも踏まえて紹介し、そんな疑問にお答えしていきます。
インテリア産業協会が受験概要で公表しているインテリアコーディネーターの一次試験の審査範囲は、大きく9つの分野にわかれています。
一次試験に合格するためには、7割以上の正答が必要で、9つの分野からまんべんなく出題されるのが特徴。
そのため、「試験範囲が広くてどのように学習すれば良いかわからない…」と思う人も多いのです。
こうした悩みを解決するため、9つの分野の内容と学習のポイントについて紹介します。
1 インテリアコーディネーターの誕生とその背景に関すること
どのようにインテリアコーディネーターという資格がつくられたか、時代背景と共に学習していく分野です。
学習ボリュームが少ないため、試験時の得点源にしやすいのも特徴。
ポイントは、時代背景をイメージすること。
戸建ての増加から集合住宅が増えてきた時代背景をイメージし、インテリアコーディネーターの需要が高まった理由を意識していくと良いでしょう。
2 インテリアコーディネーターの仕事に関すること
インテリアコーディネーターの職域や仕事の流れに関する内容を学習する分野です。
前の分野同様、ボリュームは少なめなので、得点源にしやすいのが特徴。
ポイントは、それぞれの場面における業務上のポイントを意識すること。
インテリアコーディネーターと依頼主の目線から流れを意識し、インテリアコーディネーターの仕事について理解を深めると良いでしょう。
3 インテリアの歴史に関すること
日本と西洋のインテリアの歴史が学べる分野で、ボリュームは多めです。
日本の平安時代における寝殿造りから現代まで、西洋も古代から現代までと、範囲が広いのが特徴。
ポイントは、インテリアの様式の流れを、画像や用語と共に覚えていくこと。
ボリュームが多い一方で試験での出題数はそれほど多くないため、ポイントを押さえて学習するのがおすすめです。
4 インテリアコーディネーションの計画に関すること
身長や座高といった寸法や、手を動かす際の動作範囲、身体の動きや寸法に合わせた家具の選び方などを学ぶ分野です。
ボリュームはやや多く、寸法を学ぶため数字も多く出てきます。
人の身長に対して座高の割合はどれくらいか、椅子に座った際に使いやすいテーブルの高さはどれくらいかなど、具体的な数値が出てくるのが特徴。
例えばですが、自分の身長や座高などを測り、家にある家具や設備のサイズと比べて、テキストの内容を実際に確認することも数字を覚える方法の1つ。普段の行動範囲を意識することで繰り返し思い出すことができるでしょう。
また、演習問題を解きながら覚えることもポイントになります。
演習問題を解くことで、それらの数値がどのよう出題されるのが分かり、繰り返す解くことで記憶にもつながります。
5 インテリアエレメント・関連エレメントに関すること
テーブルやイスといった家具の素材や寸法、カーテンやカーペットの種類や素材など、部屋に欠かせないインテリアエレメントについて学ぶ分野です。
それぞれの種類や素材に関する内容が含まれているため、ボリュームが多いのが特徴。
攻略法の1つとして、家具などの素材を触ってみたり、インテリアエレメントを実際に確認することで理解や記憶がしやすくなります。実際にお店で実物に触れたり、ショッピングサイトで様々なインテリア用品を調べたり、家にあるカーテンの種類を確認したり、ドアの大きさを意識したりするのもおすすめです。
また範囲が広いため、出題が多い箇所や用語を重点的に学習することが攻略のポイントです。
6 インテリアの構造・構法と仕上げに関すること
建物全体の構造や天井・床などの工法、吸音材や防火材などについて学べる分野です。
戸建てなどの建物の構造を知り、天井・壁・床にはどういった素材が使われるかを学習します。
木材の種類や表面仕上げ、コンクリートや防水材料など、細かな部分も範囲に含まれるため、学習ボリュームは多く、試験の出題数も多い大切な分野です。
ポイントは、画像や動画などを見ながら構造や工法を理解すること。
一見インテリアとは関係ないと思われるかもしれませんが、構造などを理解することはエレメントの選択や設置においても重要になってきます。
7 環境と設備に関すること
部屋の照明やキッチンにある換気・給水の仕組みなど、熱・光・音の伝わり方といった環境工学を踏まえて学ぶ分野です。
ボリュームはやや多めで、普段から何気なく使っている蛇口から、換気扇、冷暖房機器など設備の仕組を学びます。
熱や光、音響の伝わり方などはインテリアエレメントの選択にも関わってくる大切な分野であり、試験の出題も多いのが特徴です。
そのため、動画や画像を見て理解を深めながら、演習問題を解いていくことがおすすめです。
8 インテリアコーディネーションの表現に関すること
家を建てる際に欠かせない図面などについて学ぶ分野です。
建築には平面図・断面図といった図面、家具を構成する詳細な図面などもあります。
そうした図面をどのように描くかや、パソコンでの作図に使うソフトについてなどを学習します。
ただし、同様の問題が繰り返し出題されることが少なく、攻略しづらい分野だといえます。
9 インテリア関連の法規、規格、制度に関すること
建築基準法やバリアフリー法など、家を建てる・リフォームをする際に覚えておかなければならない法律や制度を学ぶ分野です。
ボリュームはやや少なめですが、法律用語など専門的な言い回しが多いことから苦手と思われるかもしれません。
ポイントは、演習問題を解きながら覚えること。
法規や規格などを丸暗記しようとすると覚えづらいことも多いです。また、問題に対して正しい答えを導き出せるように演習問題をこなすと良いでしょう。
また、インテリア関連の表示マークには、グッドデザイン賞のマークや防ダニマークなどがあります。身近なインテリア用品にマークがあるか探してみるのもおすすめですよ。
一次試験のポイントまとめ
9つの分野の試験ボリュームと学習のポイントをおさらいすると以下の通りです。
それぞれのボリュームやポイントに合わせて学習のスケジュールを立てるのが大切ですよ。
また、今回から導入されるCBT方式に慣れることも、重要なポイントになりそうですね。
- インテリアコーディネーターの誕生とその背景に関すること
ボリューム:少ない
ポイント:時代背景をイメージすること - インテリアコーディネーターの仕事に関すること
ボリューム:少ない
ポイント:それぞれの業務上のポイントを意識すること - インテリアの歴史に関すること
ボリューム:多い
ポイント:インテリアの様式の流れを、画像や用語と共に覚えていくこと - インテリアコーディネーションの計画に関すること
ボリューム:やや多い
ポイント:演習問題を解きながら覚えること - インテリアエレメント・関連エレメントに関すること
ボリューム:多い
ポイント:出題が多い箇所や用語を重点的に学習すること - インテリアの構造・構法と仕上げに関すること
ボリューム:多い
ポイント:画像や動画などを見ながら構造や工法を理解すること - 環境と設備に関すること
ボリューム:やや多い
ポイント:動画や画像を見て理解を深めながら、演習問題を解く - インテリアコーディネーションの表現に関すること
ボリューム:やや少ない
ポイント:攻略しづらい分野 - インテリア関連の法規、規格、制度に関すること
ボリューム:やや少ない
ポイント:演習問題を解きながら覚えること
インテリアコーディネーター資格試験 二次試験の概要とポイント

概要
二次試験は180分でプレゼンテーション・論文を作図・記述して回答します。
プレゼンテーションでは、課題に対して色鉛筆を使いながら平面図などの図面を作図し、家具の図面を描いたり、パースやアイソメ図が出題されることもあります。
また論文は、課題に対してインテリアコーディネーターとしての考えを記述する必要があり、提案するための説明を文章でまとめていく力が問われます。
学習のポイント
180分で図面と論述を完成させなければいけないため、時間を意識するのがポイント。
平面図だけでなく、立・断面図、家具図やパース・アイソメ図といった種類の図面も描けるよう練習しておきましょう。
2次試験の詳細は以下も参考になるのでご覧ください。

まとめ
「インテリアコーディネーターの一次試験は、試験範囲が広い…」とはいえ、ポイントを絞って学習すれば1回で合格することも可能です。
「独学で合格できた!」という方も中にはいますが、
インテリアや建築についてまったく学んでこなかった人や、仕事が忙しくて勉強する時間がとれない人にとっては、難しい試験であることは確かです。
とくに2023年からは受験方式が変更されるため、この方式に慣れることも合否を分けるポイントになりそうですね。
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2次試験まで対応しているから安心です。