【プロが解説】家づくりを百万以上お得にする優遇制度を知っておこう!

家づくりのお金

家づくりは「人生最大の買い物」と言われる一大イベントです。

土地や建物は言うまでもなく、手続きの手数料や税金など多額のお金がかかるので、支援や補助を受けられるととても助かりますよね。

そこでぜひ知っておいてほしいのが「軽減税率」や「控除」などの優遇制度です。知っているかどうか、利用したかどうかで出費に数百万円の差が出る場合もあります。

本記事では少しでもお得に家づくりをするための知識として、住宅を購入する際の節税方法や優遇制度などについて解説します。

法律用語が出てくるので少し複雑に見えるかもしれませんが、可能な限りわかりやすく解説しますのでぜひ参考にしてくださいね。

目次

家づくりにかかるお金の種類

まずは家づくりにかかるお金の種類を簡単に確認しておきましょう。
家づくりの費用は大きく3つに分けられます。

  • 本体工事費用:建物そのものを作るためにかかる費用
  • 付帯工事費用:庭や門、地盤工事などにかかる費用
  • 諸費用:仲介手数料、火災保険料、税金などの費用

法律では「なにに使うお金か」によってルールが変わったり、特定の用途に対して補助金が出ることが多いので、頭の隅に置いておきましょう。

家づくりを支援する様々な取り組み

家づくりをしやすくすることを目的に様々な支援が用意されていますが、支援してくれる内容と相手も様々です。

  • 【国】が設定している減税制度(払う税金が安くなる)
  • 【国】からの補助金、助成金、給付金(お金をもらえる)
  • 【自治体】からの補助金、助成金

優遇制度の注意点

注意すべき点は、受けられる支援の内容は地域によって異なったり、頻繁に変わることがあるということです。

国が提供している減税制度は全国共通ルールですが、制度の中身が変更されることがあります。また、補助金・助成金・給付金の多くは期間限定で募集していることが多く、いつでも同じ支援が受けられるというわけではありません。

さらに、自治体の支援は地域によって内容が異なるので、自分が住むエリアの自治体から出ている情報を各自で調べる必要があります。

このような理由から、以降では比較的変更が少なく全国共通の優遇制度にフォーカスして解説していきます。

家を新築するときにかかる税金と減税制度

ここでは家の新築にかかる税金の種類と減税制度について解説します。

税金

新築時にかかる税金は6種類

家の新築には以下6種類の税金がかかります。

  1. 消費税
    • 仲介手数料や建物の価格に対してかかる税金。
  2. 登録免許税
    • 購入した土地や建物を自分の名義に変更するときにかかる税金。
    • 住宅ローンを組む場合、抵当権を設定するときにもかかる。
  3. 印紙税
    • 契約書に貼る印紙代。(建物を建設する工事の契約、建物を購入するときの売買契約、ローン契約など)
  4. 不動産取得税
    • 土地や建物などの不動産を購入したときにかかる税金。
  5. 固定資産税
    • 住んでいるかどうかにかかわらず、不動産を所有している人が毎年支払う税金。
  6. 都市計画税
    • 所有している不動産が「都市計画法」の範囲内にある場合にかかる税金。

上記のような税金を支払うにあたって、条件を満たせば税額を安くしてくれるのが「減税制度」です。

それでは具体的な制度を簡単に紹介していきます。

住宅ローン減税

住宅ローン減税は「住宅ローン控除」や「住宅借入金等特別控除」とも呼ばれ、条件を満たしていれば支払った所得税から決まった金額が控除され、最大で35万円を返金(還付)してもらえる制度です。

還付してもらえる金額は「年末の時点で残っている住宅ローンの0.7%」です。
たとえば年末時点で住宅ローンの残債が3,000万円の場合は…

  • 3,000万円×0.7%=21万円

このような計算で21万円が還付されるといった具合です。
一般的な住宅の場合は21万円が上限、建物の構造によっては35万円が上限となります。

2023年1月現在は、2022年〜2025年に入居した世帯が対象となっています。
詳しい条件などを知りたい場合は下記の国土交通省の公式サイトを確認してください。

登録免許税の軽減措置

「登録免許税の軽減措置」とは、税額を計算するときの税率を軽減してくれる制度です。

住宅を購入するときに関係する登記は2種類で、それぞれ以下のようになります。

  • 所有権保存登記:新しい家の所有権を登録する登記。
    • 通常:固定資産税評価額×0.4%=登録免許税の金額
    • 軽減:固定資産税評価額×0.15%(長期優良住宅・低炭素住宅の場合は0.1%)
  • 抵当権の設定登記:住宅ローンを組んだ際に必要。
    • 通常:住宅ローンで借りた金額×0.4=登録免許税の金額
    • 軽減:住宅ローンで借りた金額×0.1

ここで法律用語や計算式を覚える必要はありませんが、少しだけ補足します。

「固定資産税評価額」は簡単に言うと、各自治体が決めたあなたの土地や建物の評価価格です。土地や建物の価格に対して税率がかけられているので、たった1%の違いでも支払う税金の金額は大きく変わります。

「抵当権」とは、万が一住宅ローンを払えなくなった場合に、銀行などが「あなたの土地や建物を売ってお金を回収する権利」です。この権利を法的に設定するのが「抵当権設定登記」です。

なお、登録免許税は各自治体が管轄しています。
詳しい条件などを知りたい場合は各自治体の法務局の公式サイトで確認してください。

税金計算

不動産取得税の軽減措置

「不動産取得税の軽減措置」は新築・中古にかかわらず受けられ、税額を計算するときの税率を1%割り引き、建物の価格を最大1,200万円割り引いてくれる制度です。

計算式は建物が「新築か中古か」によって変わり、中古の場合は築年数によって控除額が変動する仕組みになっています。

計算式の解説は複雑なので割愛しますが、赤文字の部分が軽減措置です。

  • 新築の場合:(建物の固定資産税評価額 − 1,200万円×3% = 不動産取得税額
  • 中古の場合:(建物の固定資産税評価額 − 築年数ごとに定められた控除額×3% = 不動産取得税額
  • 土地の場合:(土地の固定資産税評価額 × 1/2)× 3% − 税額控除額 = 不動産取得税額

中古住宅の控除額は100万円〜最大1,200万円までの幅で変動し、建物が新しいほど優遇されるようになっています。

固定資産税・都市計画税の軽減措置

固定資産税の軽減措置はシンプルで、取得から一定年数、税金が半額になります。また、取得した建物が一戸建てかマンションかによって適用される年数が変わります。

  • 一戸建て:取得から3年間、固定資産税が1/2になる
  • マンション:取得から5年間、固定資産税が1/2になる
  • 土地:広さによって固定資産税が1/3〜1/6になる

詳細は国土交通省の公式サイトで確認できます。

なお、都市計画税にも軽減措置がありますが地方自治体によって異なるため、詳細は各地方自治体の公式サイトを確認してください。

印紙税の軽減措置

家の購入では収入印紙(=印紙税)も数万円と高額になりますが、家づくりにおいては収入印紙も軽減措置が用意されています。

普段そこまで高額な収入印紙を使う機会がないうえに、特に手続きも必要ないので割り引きされていることに気付かないかもしれませんが、こんなところでも恩恵を受けています。

家を新築するときの優遇制度

税金以外の部分でも優遇制度があります。

ローン

住宅ローン(フラット35)の金利優遇制度

フラット35には4つの優遇制度があります。

  1. フラット35S
    省エネ住宅や耐震住宅にフラット35を使う場合、年利が0.25%引き下げられる。
    参考:住宅金融支援機構「【フラット35】S:長期固定金利住宅ローン
  2. 維持保全型
    長期優良住宅・安心R住宅の新築を対象に、条件を満たすことで10年間、年金利が0.25%引き下げられる。フラット35Sと併用可。
  3. 地域連携型
    フラット35を運営する住宅金融支援機構と提携する地方自治体で、子育て支援の補助事業としてフラット35の借入金利を10年間、年0.25%引き下げられる。
  4. S(ZEH)
    ZEH基準をクリアした住宅で、5年間は年0.5%、6年目から10年目まで年0.25%引き下げられる。
    参考:住宅金融支援機構「【フラット35】S(ZEH)

ZEHは「ゼッチ」と読み、「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略称です。
ZEHとは、自分の家で使用するエネルギーと太陽光発電などで作り出すエネルギーをプラスマイナスゼロ以下にすることを目指した省エネ住宅のことです。

火災保険の優遇制度

住宅の火災保険料は建物の構造や耐火性によって変わり、火に強い建物ほど安くなります

このため鉄筋コンクリートよりも木造のほうが保険料が高くなりますが、木造のなかでもツーバイフォー工法やプレハブ工法のほうが安いといった違いがあります。

地震保険の優遇制度

火災保険と同じく、地震に強い家ほど保険料が安くなります

耐震性は等級が決まっていて、等級に応じて10〜50%の割り引きを受けることができます。

地方自治体によって補助金や助成金もある

冒頭で解説したように、ここまでに紹介したもの以外にもたくさんの補助金や助成金がありますが、地域によって内容は大きく異なります。

基本的には新しい家の所在地がベースになるので、家を建てたり買ったりする場合は自治体の公式サイトなどを調べてみることをおすすめします。

「親からの支援」に要注意

親から住宅購入資金を支援してもらうこともあるでしょう。
しかし、たとえ相手が親でも法律が適用されるので要注意です。

支援のイメージ

親からの支援でも税金がかかる

親からの個人的な支援であっても法律上は「贈与」という扱いになり、受け取った金額によっては「贈与税」が課されるので注意が必要です。

ではいくらから贈与税がかかるのでしょう?
これを理解するためには、次の「住宅取得資金の非課税控除」がかかわってきます。

住宅取得資金の非課税措置

結論からお伝えすると、親からの支援は条件によって110万円〜1,110万円の幅で非課税になります。これを「住宅取得資金贈与の非課税枠」といい、優遇制度の1つです。

非課税枠の内訳は以下のとおりです。

  • 贈与税そのものに設定されている非課税枠(基礎控除):110万円
  • 建物の構造によって変動する非課税枠:500万円〜1,000万円

購入した建物が省エネ住宅の場合は1,000万円、それ以外の住宅の場合は500万円が非課税枠の上限となり、2つの非課税枠を合計すると以下のようになります。

  • 購入する建物が省エネ住宅:1,110万円
  • 購入する建物がそれ以外の構造:610万円

つまり、建物の構造によって上記の金額までは税金を払わずに支援してもらうことができ、非課税枠を超えた金額に対してのみ税金がかかる、ということです。

ちなみにこの措置は「建物を所有する人、1人に対して」なので、夫婦で共同名義にする場合は非課税枠が2倍になることも覚えておくと良いでしょう。

優遇制度を受けるときの注意点

最後に、優遇制度を受けるときに注意してほしいことを解説します。

条件をよく確認する

本記事で紹介した優遇制度にはそれぞれ適用条件や期限が設定されており、条件を満たして期限内に所定の窓口に申請する必要があります。

今回は制度の紹介が目的のため、制度を利用するための条件にはあまり触れていません。利用を検討する場合は各窓口で条件や申請方法を確認してください。

必ず最新情報を確認する

制度の内容は割と頻繁に変わります

応募期限内であっても申込みが用意していた予算に到達した時点で終了したり、去年は実施されていた制度が今年は無くなっていることもあります。

とはいえ、常にこのような制度は用意されているので、自分が家を買ったり建てたりすることを検討するタイミングで最新情報を確認しましょう。

まとめ

家の購入には様々な費用と多額のお金がかかりますが、金額が大きいぶん優遇制度を活用することで百万円以上節約することも可能です。

これだけあれば新たにオプションを付けたり、家具家電の購入費用を捻出できますよね。

制度は基本的に自己申告なので、知っていれば得をするし知らなければ損をするという性質のものなので、お得に家づくりをするためにもぜひこの記事を参考にしてくださいね。

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