インテリアコーディネーターとインテリアデザイナーの違い ― 現場経験者が語る

インテリアコーディネーターとインテリアデザイナーの違い

SNSや雑誌などで、インテリアコーディネーターインテリアデザイナーは「同じ職業」として一括りにされがちです。

実際には、主軸とする領域も、求められるスキルも異なっているのですが、インテリア業界に存在する「暗黙の了解」が、この2つの職業の境界を曖昧にしている、という背景があります。

この記事では、インテリアの実務現場でさまざまな職種を経験してきた筆者の視点から、

  • 「インテリアコーディネーター」と「インテリアデザイナー」2つの職業の違い
  • インテリア業界に浸透している「暗黙の了解」
  • インテリアの仕事を目指すなら取得しておくべき「資格」と、その理由

について解説していきます。

この記事を書いている人
N講師
  • 新築注文住宅アドバイザー、家具ショールームスタッフ、フリーのインテリアコーディネーターなど幅広い経歴を持つ。
  • 所有資格は、インテリアアカデミー認定講師、インテリアコーディネーター、その他住居関連・整理収納・色彩など多数。
  • 海外暮らし経験あり。
目次

まず、知っておきたい「インテリアコーディネーター」の仕事

インテリアコーディネーターの仕事

インテリアコーディネーターとは:条件の中で最適解を導く存在

インテリアコーディネーターは、家具・照明・カーテン・床材・壁材・設備・収納など、複数アイテムの選定・調整を繰り返しながら空間を計画し、提案する専門職です。

一般的には、建築士や設計士が手掛けた図面、あるいは建物=「箱」に対して、最適な選択と調整を重ねて、空間全体の完成度を高めていく役割を担います。

必要に応じて、造作家具などの設計も行いますが、既製品を中心に、予算・使い勝手・施工性を考慮して選定・配置するケースが多く、打ち合わせ・ショールーム同行・完成後のアフターフォローまで幅広く関与します。

インテリアの仕事には、さまざまな名称・肩書きがありますが、インテリアコーディネーターの仕事内容は、「インテリアの仕事全般」に通用する基本要素が詰まっています

筆者の経験談:インテリアコーディネーター

新築戸建て住宅・マンション購入時や、引越しに伴った依頼が多く、トータルコーディネート家具配置の提案が大半を占めています。

資料作りやクライアントへの提案は、「まだ現実にない空間を、提案段階でどれだけ鮮明にイメージを浮かばせて、わくわくしてもらえるか」を大切にしています。

現場では、言葉にしきれない要望を汲み取って、無数の選択肢の中から条件に合った選定を行い、魅力的なプレゼンテーションとしてまとめるスキルや、クライアントと施工担当者・取引先の間に立ち、専門用語を分かりやすく伝える通訳者のような、「調整役」も求められます。

得意なスタイルを持って発信することで、同じ嗜好のクライアントと出会いやすくなり、「お任せします」と言っていただけることが多いです。

一方、「インテリアデザイナー」の仕事とは?

インテリアデザイナーの仕事

インテリアデザイナーとは:空間を世界観からデザインする存在

インテリアデザイナーは、世界観やコンセプトを実現するために必要不可欠な要素を「0に近い状態からデザイン」する専門職です。

インテリアコーディネーターの多くが、すでに決められた寸法・条件の空間で選定・提案を行うのに対し、インテリアデザイナーは、ゾーニングや間仕切りの計画・変更など、「空間全体(=箱)の構成」から関与していきます。

空間構成後は、既製品の中から選定の枠を超えて、造作家具やオリジナル照明を手掛けるケースも多いため、インテリアデザイナーはインテリアコーディネーターの知識を持ち合わせたうえで、設計要素を多く担う立ち位置であると言えます。

筆者の経験談:インテリアデザイナー

インテリアデザイナーとして、オフィス・クリニック・飲食店・住宅のリノベーションに携わってきました。

テーマやコンセプトは、単にクライアントの要望や好みで決めるのではなく、「課題を解決するために、インテリアデザインができることは何か?」の視点を踏まえて考案するようにしています。

造作家具の機能美や細かい納まりまで気を配るため、寸法(数値)の設定が重要です。

完成した空間の「世界観」を、説明ありきではなく、見た目の印象だけで物語れるような表現・設計は、特に求められるスキルであると実感しています。

インテリア業界に浸透している「暗黙の了解」

このように、インテリアコーディネーターとインテリアデザイナーは、主軸とする領域も求められるスキルも異なりますが、完成した空間=「目に見える結果」だけでは、インテリアコーディネーターとインテリアデザイナーのどちらが手掛けたか、という判断は難しく、当事者が「どのような肩書きを名乗っているか」によっても、名称は曖昧になりがちです。

その背景には、インテリア業界に「暗黙の了解」として浸透している、“ある資格の存在”が関係しています。

暗黙の了解のイメージ

その資格が、インテリア産業協会主催の「インテリアコーディネーター資格」です。

インテリアの仕事をするために必須の資格がないことは事実ですが、実際には、「インテリアコーディネーター資格」を持っていることで開かれる世界があります

インテリアコーディネーター資格は、
  • 建築・インテリアの知識から製図までを体系的に学べる
  • 資格の歴史が深く、業界・一般的にも認知度・信頼度が高い
  • 業界内での取得率が高く、習得レベルの共通認識になりやすい

といった特徴から、就職・転職の条件になる可能性が非常に高い資格です。

特に、企業への転職では「インテリアコーディネーター資格」がないと、選考の土俵に立つことすら難しいという現実があります。未経験で応募可能な場合でも「資格を持っている人を優先して採用」が、現場のリアルです。

そのため、インテリアの仕事では名称や職種に関わらず、知識とスキルの基盤となる「インテリアコーディネーター資格」を取得している人が多く、有資格者である「インテリアコーディネーター」が、仕事内容やスキル次第で「インテリアデザイナー」としても活躍の場を広げているケースが多い、というカラクリがあるのです。

インテリアコーディネーターとインテリアデザイナーは、どの領域を主軸にするかで名称・肩書きが使い分けられていますが、この2つの境界線が曖昧になったり、時に「同じ職業」として一括りにされるのは、このような理由・背景も関係しています。

取得しておくべき「資格」と、その理由

前述したように、インテリア産業協会主催の「インテリアコーディネーター資格」の取得は業界内で暗黙の了解として浸透しているため、「インテリアの仕事」を目指すなら、名称や職種にとらわれず取得しておくべき資格と言えます。

SNSなどでは、「資格なしでも活躍できる」と謳われることがありますが、建築・インテリア業界で必須の知識や図面の読み書きといった「共通言語」を理解していなければ、プロの世界では致命的です

たとえば、「差尺」と聞いて、すぐに意味と必要な場面を答えられますか?
テーブルと椅子のイメージ

差尺は、椅子の座面(座位基準点)から、テーブル・デスクの甲板面までの垂直距離=「高さの差」のことで、作業や食事の際の使い勝手や、身体への負担をかけにくい姿勢を保つために重要な数値です。

あらかじめ適切な差尺が設定されているセット商品ではなく、テーブル・デスクと椅子を別々に組み合わせる場合や、造作家具では必須の知識で、図面に落とし込むには適切な寸法が不可欠です。

インテリアコーディネーター資格では、
差尺=座高(=身長×0.55)×1/3 ※−(2~3cm)」
という計算式まで学ぶことができます。
※−(2~3cm)は長時間の使用に重点を置いた場合。

おしゃれな見た目や感覚だけの選定ではなく、使い勝手や心地よさを考えた提案ができてこそ、プロの仕事と言えます
現場で必要な知識やスキルの基盤を整えることで、クライアントや取引先からの信頼獲得にも繋がります。

製図のイメージ

しかし、インテリアの資格なら何でも良いという訳ではありません。

たとえばインテリアデザイナーは、本質である「設計」スキルが必須ですが、「インテリアデザイナー資格」には現状、製図の試験はありません

また、インテリアコーディネーター資格に比べて歴史も浅いため、「なぜその資格を取得しようと思ったのか?」を問われたときに意図を答えられないと、説得力に欠ける可能性もあります

インテリアの仕事に関わるさまざまな民間資格が誕生していますが、必ずしも「資格の名称=職業の名称」ではありません

どの資格が良い・悪いではなく、「どの領域を主軸にしてインテリアの仕事に携わりたいのか?」「そのために、どのような知識やスキルが必要なのか?」を考慮して選び、学ぶことが大切です。

その観点からも、未経験者が入門として学ぶのに最適で、実務とのバランスも良い内容構成、かつ、数多くのインテリア専門学校でも取得が推奨されている、インテリア産業協会主催の「インテリアコーディネーター資格」は、信頼性と受験価値が高いと言えます。

筆者である私自身も、インテリアコーディネーター資格を持ち、学びを活かして実践した経験があったからこそ、インテリア業界で複数回のキャリアチェンジ・キャリアアップができたと確信しています。

まとめ

この記事では、インテリアの実務現場でさまざまな職種を経験してきた筆者の視点から、

  • 「インテリアコーディネーター」と「インテリアデザイナー」2つの職業の違い
  • インテリア業界に浸透している「暗黙の了解」
  • インテリアの仕事を目指すなら取得しておくべき「資格」と、その理由

について解説してきました。

インテリアコーディネーターとは、条件の中で最適解を導く存在
インテリアデザイナーとは、空間を世界観からデザインする存在

このように、主軸とする領域や求められるスキルも異なる2つの職業ですが、インテリア業界に浸透している「暗黙の了解」である「インテリアコーディネーター資格の取得」が、その境界線を越えて活躍する人材を輩出している理由のひとつになっています。

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